Poison & Medicine ブログ 毒と薬
2018.1.25
豊寿苑
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穂積久〜小牧が生んだ昭和モダン文化人』講演会
このたび、小牧市文化協会から依頼で文化講演会『穂積久〜小牧が生んだ昭和モダン文化人』をおこなうことになりました。
小牧出身の穂積久(1903〜1989)は、戦後、盆踊りの定番「名古屋ばやし」や「新小牧音頭」を作詞した民謡詩人として知られています。
しかし、大正末から昭和初期の青年期には、ロマン主義的な短歌、小説、戯曲、童話、映画評などに幅広く手がけたモダニストでした。
その後、当時、最先端を行っていた流行歌の作詞家に転身。戦前戦中、名古屋にあったツル/アサヒ・レコードを中心に、数多くの作詞を手がけました。
そんな久のことを、私は「小牧の西條八十(やそ)」と言っています。
今回の講演では、小牧や「昭和歌謡」といった狭い文脈ではなく、ワールド・ミュージックというか、カルチュラル・スタディーズの視点から穂積久に迫るつもりです。
単に教養を深めるだけではおもしろくないので、初期短編小説の朗読、渡辺はま子の「小夜しぐれ」他、当時の貴重なSPレコードの解説と試聴、幻の童謡「つばめ」の実演、名曲「三味線軍歌」の芸妓風日本舞踊、小牧民謡協会による「名古屋ばやし」、「新小牧音頭」などの民謡踊りなど、エンターテイメント的な要素も入った「ライヴ・パフォーマンス」です。
このことを通じて、小牧が生んだ文化人、穂積久の現代への再生を試みようと考えています。
それは、晩年の久を知っていて、久と同じ、小牧で生まれ、早稲田大学に学び、現在小牧で暮らす私に課せられた使命のように感じています。
小牧駅前に新しく建てるという図書館に、適度なポピュリズムを取り入れることには反対しませんが、それには穂積久を初めとする郷土が生んだ文化人が遺した書籍やレコードなどを「小牧の文化遺産」として、きちんと整備することが前提であると声を大にして言いたいです。
『小牧が生んだ昭和モダン文化人「作詞家 穂積久」』
講師 塚原立志(音楽ライター、文筆家)
日時 平成30年2月8日(木)午後1時30分開演
場所 まなび創造館あさひホール(ラピオ5階)
小牧市小牧3-555(名鉄小牧駅西徒歩3分)
主催 小牧市文化協会 後援 小牧市教育委員会
入場無料 当日先着300名