Poison & Medicine ブログ 毒と薬
2015.12.17
マラソン
小牧市民駅伝奮戦記〜「チーム豊寿苑」初陣〈その2〉
午前7時15分に豊寿苑の駐車場に集まり神谷監督の車で全員「パークアリーナ小牧」へ。
受付を済ませたあと、開会式に出席するため第1走者の田辺君とアンカーの加藤君を残して、上田さんと田中さんと私は監督の運転する車に乗り込んで、それぞれの中継地点まで送ってもらいました。
3区の私が待機する光ヶ丘第3公園は、桃花台ニュータウンの東の外れの高台にあります。光ヶ丘小学校と光ヶ丘中学校に面し、道路の下を中央高速道路が走っています。
この日は早朝に小雨のち曇天。風はほとんどなく12月とは思えない暖かさでした。選手は前の区の走者が到着する1時間以上前からこの殺風景な場所で時間をつぶさなければなりません。ウォーミングアップに近くへ走りに出かける人たち、ひたすらストレッチに励む人たち、友だち同士でおしゃべりしている人たちなど、さまざまな過ごし方をしていました。
私はというと、最近、お気に入りの「水曜日のカンパネラ」のアルバムを聴きながらテンションをハイにしていました。
トップが3区に到着したのは午前9時30分頃。そのあとに次々とランナーがやって来て、次の走者にたすきを引き継いでいきました。
中継地点の立ってまだかまだかと、やって来る先を眺めていると、9時45分頃、必死の形相で坂道を駆け上がってくる上田さんの姿を発見しました。
思わず「上田さーん!もう少しだ。ファイトッ!」と叫びました。すると、私に気づいた上田さんは、たすきを肩から外して手に握りしめると、最後の力をふりしぼって全力で走ってきました。
上田さんの差し伸ばされた手からたすきを受け取ると、私は「お疲れさま」と声掛けして駆け出しました。
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この時点で、私のすぐ前を行くランナーの姿は見えませんでした。それが住宅街から急坂を駆け下りて田園地帯に入ると、前を行くランナーの姿がとらえられました。そこでペースアップして追い込み、田んぼのど真ん中で追い抜きました。GPSウォッチで確認すると、ここまで1キロ4分20秒。
ここからがコース最大の難関、愛知文教大学へ向かう急な上り坂になります。
坂に差しかかったときは、先を行くランナーはまだ豆粒のようでした。ところが、坂を上りきった頃には相手との距離はずいぶん縮まっていました。相手はへたばっている様子だったので、その先の東部工業団地の広い道路で徐々に追いつき追い抜きました。これで二人目。この坂でのラップは5分4秒。
その直後、私の背後から若いランナーが迫ってきて、すっと追い抜いていきました。彼との間隔を約5、6メートルに保って、2.5kmぐらい走ったところで左折してターン。ここから年上坂を下ります。
下りの途中でもう一人とらえて追い抜きました。これで三人目。
私を追い抜いた若い彼も、少しへたばってきたようでしたので3.5km過ぎの下りで追い抜いてやりました。これで四人。
ところが、田園地帯に入ってゴールに近づいた4km付近で、その彼が最後の力をふりしぼって私を追い抜きました。一瞬、抜き返してやろうとも思いましたが、かなり疲れていたし「無理は禁物」と自分を戒めてマイペースを保ちました。
すると、直線道路の先に人びとが大勢集まっているのが見えてきました。第4中継地点です。私は途中で自分用に短く結び直したたすきの結び目を元に戻して肩から手に持ち替えると、最後の力をふりしぼって第4走者の田中さんにたすきを渡しました。
ゴールしてGPSウォッチを確認すると10時6分。4.5kmを20分25秒。キロ平均4分32秒で走った計算です。脚を故障していなかったら20分を切れたと思いますが、これがいまの自分にできる精一杯でした。
すかさず神谷監督が駆け寄ってきて「よく頑張った」と声を掛けてくれました。うれしかった。でも、それ以上に「なんとか自分の責任を果たせた」という安堵感の方が大きかったです。