
Poison & Medicine ブログ 毒と薬
2025.4.2
歴史と文化
負の遺産ピーチライナー〜巨大ループがなくなるまで
老人保健施設豊寿苑は、いまからちょうど30年前、平成7年(1995)4月25日に開設されました。
そのときすでに豊寿苑の目の前には、ラケットのような形をした巨大な橋梁・橋脚がそびえ立っていました。

それは、平成3年(1991)に、第三セクター方式で開業した新交通システム桃花台線、通称ピーチライナーの車両が終点小牧駅で折り返すループでした。
しかし、ピーチライナーは、赤字続きで平成18年(2006)にわずか15年で廃線。バブル期の負の遺産として巨大な橋梁・橋脚だけが残りました。

鳩の住み家と化していたピーチライナー小牧駅の取り壊し工事が始まったのは、令和2年(2020)3月でした。
そして、令和4年(2022)12月から、車両が旋回するループの根元に当たる、道路をまたいだ2本の橋梁の撤去工事が始まりました。


最後に、令和5年(2023)10月から、工事のクライマックスである、小牧隧道(アンダーパス)の真上に聳えるループの撤去工事が始まりました。
地面に足場を組まない「吊り足場」という高度な技術が用いられました。まるでクリストや川俣正のインスタレーション・アートのよう。






豊寿苑屋上から見た工事の風景です。
NHK「解体キングダム」ファンにはこたえられない風景ですね。


小牧駅前の歩道橋から小牧隧道を南に見た風景です。バブル期の再開発で、小牧の中心地は道路も名鉄線も地下に潜りました。
豊寿苑は小牧隧道沿いにあるため、Googleマップで豊寿苑を検索すると、ストリートビューでは隧道の汚い壁面が出てきます。
事実とかけ離れた誹謗中傷の口コミもそうですが、これは営業妨害だとGoogleに削除を依頼しても聞いてもらえません。
言論の自由を盾に、事実を検証することなく、匿名の無責任な情緒的な投稿を垂れ流す、利益優先のIT企業の強権的態度には怒りを覚えます。




こうして、令和6年(2024)8月、ループの橋梁・橋脚が撤去工事が完了しました。

運用期間15年。放置期間18年。
開設当初からいつも見ていた巨大なラケットが、跡形もなく消えてなくなりスッキリしたのと同時に、一抹の寂しさを感じています。