Poison & Medicine ブログ 毒と薬
2024.7.12
新ホームページ・キャッチコピーの秘密
ある朝、大山川沿いのいつもの緑道コースを、音楽を聞きながらランニングしていたとき、ランダム選曲にしていたデバイスから流れてきた歌に心を奪われました。
レゲエの巨人ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ Bob Marley & The Wailers の「One Love / People get ready(ワン・ラヴ / ピープル・ゲット・レディ)」です。
レゲエならではの、ゆったりしたリズムとシンプルなメロディに乗せて、マーリーは気だるい調子でこう歌っていました。
One love, one heart
Let’s get together and feel all rightひとつの愛、ひとつの心
ひとつになれば最高の気分さ!
ビビっときました。
「新しいホームページのキャッチコピーは ”ONE LOVE ONE HEART” でいこう!」
「One Love / People get ready」は、ボブ・マーリー絶頂期の77年に発表されたアルバム『Exodus(エクソダス)』収録の大ヒット曲です。
もちろん、アルバムは持っているので、この曲を知っていましたが、あまりにストレートで臆面ない「愛」の礼賛ぶりが気恥ずかしく、たぶん10年ぐらいは聞いてませんでした。
ボブ・マーリーが説く「愛」とは、60、70年代、ジャマイカの低所得者層を中心に広まった新宗教文化運動ラスタファリアニズムの影響があります。
わかりやすくいえば、アメリカ大陸とカリブ海域のアフリカ系住民のアイデンティティ希求運動としての「パン・アフリカ主義」と、「ラブ&ピース」のヒッピー・カルチャーの流れを汲んでいます。
2016年に四万十川ウルトラマラソンで100kmに初めて挑んだとき、残り30kmで、身も心も限界に達した自分の背中を押してくれたのは、家族、友人、沿道の人びとであり、山・川・雨・風・空・緑などの自然でした。
自分はけっして一人じゃない。自分もまた宇宙の一部なんだという感情がこみ上げてきました。
この境地が、キリスト教でいう「慈愛(love)愛」「恩寵(grace)」なのかと思いました。
そのとき、頭の中ではザ・ビートルズ、67年発表の「All You Need Is Love(愛こそすべて)」が流れていました。
※ 偶然にも2024年、ボブ・マーリーの生涯を描いた映画『ボブ・マーリー:ONE LOVE』が公開されました。