Poison & Medicine ブログ 毒と薬
2024.5.10
豊寿苑
地震災害の安全度に自信あり
今年1月1日に起こった「能登半島地震」をきっかけに、豊寿苑にかんする自然災害リスクを検証しました。
「住所検索ハザードマップ」よると、今後30年間に震度6以上の地震に見舞われる確率を判断基準にした愛知県の地震危険度ランキングで、小牧市は、69市区町村中、犬山市に次いで68位ともっとも地震に強い地域です。
なかでも豊寿苑は、小牧山を含む「小牧台地」と呼ばれる海抜25メートルほどの平坦な洪積台地上にあります。
市の西部に広がる沖積平野より一段高く、地盤が固い上、周辺に河川や山がないことから、ハザードマップでの洪水・浸水・土砂災害のリスクはゼロでした。
ちなみに令和元年(2019)に新築された小牧市民病院は一段低い沖積平野にあるため、地下水の湧出が止まらず、地下階を断念したとのことです。
地震ハザードマップでは、マグニチュード9・0クラスの「南海トラフ地震」が起きた場合の建物全壊率は1%未満。
国内最大級の内陸直下型地震とされる明治24年(1891年)に起きたマグニチュード8・0クラスの「濃尾地震」を想定した場合も、建物全壊率1〜3%未満ときわめて低い数値でした。
当施設から約1km東の、同じく「小牧台地」上にあるイオン小牧店に、首都直下地震で千葉市の本社が被災した場合の本社代替拠点として「イオン小牧危機管理センター」が設置されていることからも、当地がいかに強固な地盤であるかおわかりいただけると思います。
今年度から、自然災害や感染症が発生した場合も、介護サービスを安定的・継続的に提供する必要から介護施設におけるBCP(業務継続計画)を策定することが義務化されました。
BCPの必要はいうまでもありませんが、上に述べた地域特性などを勘案せず全国一律の基準を課す国の姿勢には疑問を持たざるを得ません。
たとえば、厚労省のひな形にしたがい、BCPでは施設外での避難場所を近隣の小中学校や市民会館にしています。
しかし現実には、豊寿苑が被災するほどの地震ならば、周辺の建物や道路網も壊滅しているはずで避難どころではありません。
小牧市出身で、災害史に詳しい立命館大学環太平洋文明研究センターの高橋学特任教授から以前、こういわれました。
震災が起きた場合、豊寿苑は避難先を考えるより、外部からの避難者の受け入れ先になった場合のことを考えたほうが現実的だと。
そうなったらそうなったで、そのための人員体制、医療・衛生備品、食料などの備蓄はどうすればいいんだと頭を悩ませたものです。