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Poison & Medicine ブログ 毒と薬

2023.4.18

診療所

エッセイ

政府が花粉症対策に舌下免疫療法の普及を後押し

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いまや「国民病」といわれる花粉症対策に、政府がいよいよ本腰を入れる、との報道が23年4月15日『朝日新聞』朝刊に載っていました。

記事によると、花粉症に悩んでいる人の割合は、98年が19・6%だったのにたいし19年は42・5%にまでふえたとのこと。

これに伴い、花粉症を含むアレルギー性鼻炎にかかる医療費は、保険診療で年間3600億円にふくらみ、医療保険の財政を圧迫する要因の一つになっています。

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そこで岸田首相が打ち出した対策がつぎの「三つの柱」でした。

① 発生源への対策
② 飛散への対策
③ 発症への対策

①は、スギの伐採促進、国産材の需要拡大など、②は、スーパーコンピューターやAIを使った飛散予報の改善など。

なかでも目をみはったのが③です。
そこには「舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)など、新しい治療法を普及するための環境整備」とありました。

首相官邸

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舌下免疫療法は、抗原(アレルゲン)を毎日少しずつ体内に取り込みながら、長い期間をかけて体質改善する「治る可能性のある唯一の治療法」です。

この治療法の普及に政府が力を入れるのは、①それだけ効果が期待できるが、②一般にはほとんど知られていない、ということでしょう。

じっさい、当院でもこの治療法が保険適応を受けた直後からおこなってきましたが、治療を受けている患者さんもさほど多くありません。

それだけ当院のPRが不足していたのと、もうひとつ、舌下免疫療法ならではの、こんな事情が関係していると思っています。

① 花粉の飛散量が減る6月頃から治療が始まる。
② 効果が出るまで長期間(通常2年目以降)を要する。
③ 毎日服用する必要がある。
④ スギ花粉症のみに有効である。

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春先はあんなに苦しんでいたのに、暖かくなって花粉が飛散しなくなったとたん、コロッと忘れちゃう。「のど元過ぎれば熱さを忘れる」というやつです。
そのくせ、次の年、花粉が飛び始めるとまた苦しむことになる。このくり返し。

zekka_man

そんな「花粉症の悪夢」から抜け出したいと切実に感じておられるかたに、スギ花粉の飛散が少ない初夏こそ、舌下免疫療法を始めるチャンスです。

トリーさんのアレルゲン免疫療法ナビ

事前検査、治療予約はいつでもおこなっています。まずはご相談ください。
なお、ダニアレルギー性鼻炎の治療のための舌下免疫療法は、いつからでも始められます。

塚原外科・内科
電話0568−77−3175

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【余談】

上の新聞記事の少し前、おなじく『朝日新聞』朝刊で、平成7年(1995)に自民党内で結成され8年間活動した「花粉症等アレルギー症対策議員連盟」、通称「ハクション議連」が、14年ぶりに超党派で復活するとの記事が載っていました。

記事中、思わず笑ってしまったのが、かつてのハクション議連で幹事長を務めた山口俊一・衆院議院運営委員長のつぎの言葉です。

「かつては5月の大型連休が過ぎると花粉の飛散量が減り、活発な議論も行われなくなるという反省があった。今回はしっかり取り組みたい」

まったく「舌下免疫療法」とそっくり。
「舌下免疫療法」も、「ハクション議連」も、根気よく続けることが大切と感じ入った次第。

文責:GM 塚原立志

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