Poison & Medicine ブログ 毒と薬
2023.9.8
エッセイ
私の野菜作り:食べられることのありがたさ
8月は猛暑日続きだったことから、早朝20kmランニングを週2日程度に抑えていました。
9月になっても蒸し暑い日が続いていますが、それでも朝晩はずいぶん過ごしよくなってきたので1日おきで走っています。
昨日走ったから、今朝は「休足日」。天気予報は雨でしたが、日の出直後に外に出ると風は涼しく秋の陽気でした。
豊寿苑職員駐車場の奥には回収段ボール倉庫があり、その隣の小さな一角で野菜の栽培をしています。
私が野菜作りを始めたのは、自分で料理をするのに新鮮な食材を思う存分使いたかったからです。
昨夜は雨が降ったので野菜がグンと生長しているはずと、雑草取りを兼ねて蚊除け対策を万全に早朝から収穫してきました。
写真の葉物は、モロヘイヤのベビーリーフを摘んだもの。エジプト原産なので猛暑に負けず今が最盛期です。
さっと茹でてから包丁で細かく叩くと粘りが出るので、梅肉で和えてもよし、スープに入れてもよし、栄養価抜群の食材です。
暑さに強いといえば、アフリカ原産のオクラも豊作でした。最近は「ダビデの星」といわれる八角形の大型品種が、輪切りにして料理に加えると見た目にもきれいなので人気があります。
ナスは夏野菜の主役の一つ。キュウリとトマトはシーズンが終わりましたが、ナスはまだ頑張ってくれています。ふつうのナスと丸ナスと長ナスの3種類を育てていて、今朝は丸ナスと長ナスを収穫。
ピーマンとパプリカは、今年の異常な暑さのせいでカルシウム不足に陥り、実がなっても多くは「尻腐れ」になりました。シシトウも高温にやられて、実がじゅうぶんな大きさに育たず、9月になってようやく実が通常の大きさに戻ってきました。
この日の夕食で、収穫した丸ナスは乱切りにして、シシトウは切れ目を入れてさっと油通しし、ポン酢仕立ての出汁しょうゆに浸して献立に加えました。
この季節のシシトウには時折、激辛が混じっていて、それがまた応えられません。それから行商の魚屋さんから骨付き半身で仕入れたサワラをたたきにしました。ご飯が進みます。
このように家計の助けになればと始めた野菜作りですが、旬ともなれば、とてもわが家だけでは消費しきれないので、職場のタイムレコーダーが置かれている部屋のテーブルに「ご自由にお持ちください」と書いて並べておくようにしています。
すると、出勤あるいは夜勤明けで退勤するスタッフが大喜びで持ち帰り、あっという間にさばけてしまいます。
スタッフの中にはお礼と共に「昨日、オリーヴ・オイルで焼いたら香りが立って美味しかった」とか、感想を述べてくれるので、それがうれしくて、いまでは収穫した旬の野菜を持ってくるのが恒例になっています。
この仕事に就いてからつくづく感じるようになったのは、「食べられる」こととありがたみと「食事を作る」ことの大切さです。「食」は生きることの大前提であり、そのためには野菜をしっかりと食べる食習慣を整え、自分で料理する習慣を身に付けておく必要があると思います。
自分で野菜を作り、自分で料理をし、自分で美味しく食べられることのなんとありがたいことか。